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ー解体工事に必要な許可と資格の基礎知識|信頼される業者と求人の現状ー

解体工事を行うために必要な許可とは

解体工事は、建物を安全に取り壊すだけでなく、環境や近隣への配慮が求められる専門的な仕事です。そのため、誰でも自由に行えるわけではなく、法令に基づいた「許可」が必要です。許可を取得していないまま解体を行うと、罰則の対象となる可能性があるため、業界に携わる方はしっかり理解しておく必要があります。

解体工事に関係する許可や登録制度は複数ありますが、中心となるのは「建設業許可」と「解体工事業登録」です。ここでは、それぞれの違いと取得の流れをわかりやすく解説します。

建設業許可と解体工事業登録の違い

まず、建設業許可は、一定規模以上の工事を請け負う際に必要な許可です。
一方、解体工事業登録は、規模の大小にかかわらず、解体工事を行う際に必ず求められるものです。

主な違いを整理すると次の通りです。

| 区分 | 対象 | 管轄 | 有効期限 |
| ——- | ———- | ——– | —- |
| 建設業許可 | 500万円以上の工事 | 都道府県または国 | 5年 |
| 解体工事業登録 | 全ての解体工事 | 都道府県知事 | 5年 |

つまり、小規模工事のみを行う場合は「解体工事業登録」で十分ですが、請負金額が500万円を超える場合は「建設業許可」も併せて必要になります。

許可が必要な背景

許可制度は、無資格業者による事故や不法投棄などのトラブルを防ぐ目的で設けられています。特に解体現場では、重機の使用やアスベスト除去など、専門的で危険を伴う作業が多いため、経験と知識を持つ業者が施工することが求められるのです。

解体工事業登録の取得条件

解体工事業を営むには、都道府県ごとに登録を受ける必要があります。登録を取得するには、次の条件を満たす必要があります。

* 経営業務の管理責任者がいること
* 専任技術者が在籍していること
* 欠格事由(過去の法令違反など)がないこと
* 財産的基礎や金銭的信用があること

このうち特に重要なのが、「専任技術者の資格」です。解体工事に関する一定の経験や国家資格を持つ人材が必要とされます。

専任技術者として認められる資格

専任技術者になるためには、以下のような資格が有効です。

* 一級または二級建築施工管理技士(解体工事または土木工事)
* 解体工事施工技士
* 一級または二級土木施工管理技士
* 建築士(1級・2級)

また、資格がなくても、一定の実務経験(例えば10年以上の解体工事経験など)があれば認められる場合もあります。ただし、審査は都道府県によって異なるため、申請時には確認が必要です。

建設業許可との関係と取得の流れ

建設業許可を取得する場合は、より詳細な審査が必要になります。解体工事を請け負う業者は、「とび・土工工事業」の許可を持っていれば解体工事を行えましたが、法改正により2016年から「解体工事業」が独立した業種となりました。

そのため、現在では「解体工事業」としての許可を新たに取得する必要があります。流れとしては以下の通りです。

1. 必要書類の準備(登記簿、経営業務管理責任者の証明書など)
2. 専任技術者の確認
3. 申請書を都道府県または国土交通省に提出
4. 審査・登録
5. 許可証の交付(有効期間5年)

登録後も定期的な更新が必要で、更新時には再び経営状況や資格者の在籍が確認されます。

許可のない業者に依頼するリスク

無許可の業者に解体工事を依頼すると、思わぬトラブルを招く恐れがあります。

* 不法投棄による環境汚染
* 解体中の事故や損害賠償問題
* 法令違反による行政処分

これらのリスクを避けるためにも、依頼する際には業者の許可番号や登録状況を確認することが大切です。許可を取得している業者は、透明性の高い施工を行っており、信頼性の指標となります。

求人面から見る解体工事業界の許可とキャリア

解体工事の現場では、法令遵守が徹底されるようになったことで、働く環境も整備されています。許可を取得している企業は安全管理や教育体制がしっかりしており、安心して働ける職場が多いのが特徴です。

資格・許可を活かしたキャリアアップ

許可を取得している企業では、社員が資格を取ることを支援するケースが増えています。たとえば、

* 解体工事施工技士の取得支援
* 技術者講習費用の補助
* 現場管理者へのキャリアアップ制度
などが整備されています。

資格を取得すれば、現場の責任者や監督職への昇格が可能になり、給与アップにもつながります。実務経験を積みながら専門知識を身につけることで、長期的に安定したキャリアを築くことができます。

未経験者のチャンスも広がる

許可を取得している企業では、安全管理や教育研修が充実しているため、未経験者でも安心してスタートできます。

* 入社後に資格取得を目指せる
* 先輩社員が丁寧に指導
* 環境に配慮した現場で働ける

このような環境が整っている企業は、求人市場でも人気が高まっています。特に若手や女性スタッフの採用も進んでおり、業界全体がよりオープンな職場に変化しています。

まとめ:許可を持つ業者が選ばれる理由

解体工事において「許可」は信頼の証です。
正しい手続きを踏んで許可を取得している業者は、法令遵守・安全・品質のすべてにおいて高い基準を維持しています。

今後も法改正や環境意識の高まりにより、許可制度の重要性はさらに増していくでしょう。
働く側にとっても、資格や許可を理解し、それを活かせる環境で成長していくことが、安定したキャリア形成の鍵となります。
「許可のある解体工事会社で働く」という選択は、安全で信頼される未来への第一歩です。

2025.10.17